別離
soft_machine

ひとりに馴れたかなしみが
探してしまう、指さきの記憶
だれも来ないこと分かっているのに
探してしまう、川のむこうに

愛すべき人がいて
果たさなければならない約束もある
それなのにどうしてこんなにも苦しい
部屋をつつむ電気音は

秋と冬を混ぜあわせ
きみはもういないのだと知らせる
時おり車のライトにひかる雨が

きみはもう、いないのだと知らせる
受け容れられなくてもくる明日
このかたちのない別離



自由詩 別離 Copyright soft_machine 2021-11-25 16:54:59
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