救いのない夜は
坂本瞳子

身を捩ってみるけれど
寒さを防ぐことはできない
身を捻ってみるけれど
寂しさは埋められない

シーツの端を噛んだけれど
答えは見つからない
強く縛ってみたけれど
手は届かないみたいだ

雄叫びをあげたら
気は紛れるだろうか
歯ぎしりを続けたら
嗚咽を抑えられるだろうか

目をこすったけれど
涙は止まらないみたいだ
鼻をつまんでも
やさしい気持ちは見つからない

いいや
どんなことをしたって
自分の気持ちをごまかすことなんて
できやしない

それでも夜は
更けていくけれど


自由詩 救いのない夜は Copyright 坂本瞳子 2021-10-25 22:45:32
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