青空
七
青空が言っている
死はここにあると
公園のベンチから立ち上がって
探しまわる
散歩のひと
ランニングのひと
子を連れたひと
また
ひとばかりさがしている
誰にも会いたくないのに
青空が言っている
時間はふるえる波のようなものだと
あーーーと声に出してみる
ランニングのひとは
行ってしまった
サングラスをしていたから
こちらを見たかどうかはわからない
やさしい木漏れ日でまだらになった径を
渡る
なんで声なんか出すのだろう
首をかしげて
ちらりと青空をみる
それがなにかはわからないけれど
人生を無駄にしてきたかもしれない