秋終わり
asagohan

しなり始めた
枝から
柿の実が
柵を越えて
こちら側に落ちる時

左手を盗られた
蟷螂が
無い鎌を振り上げ、
僕を威嚇した。

蜜柑の実が
溶け込んでいた
緑の保護色を脱ぎ去り
お尻から
ひまわり色に
染まる時

墓石の上にいた
蝸牛達は
昨日の晩から
まだ逢瀬を続けていた。


自由詩 秋終わり Copyright asagohan 2021-10-23 10:00:01
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