酸いも甘いも
からすみもこのわたも
かみわけてきたこの私だから
若い女性からよく相談を受ける

「結婚しようかと」
「僕と？」
「まさか！」
「結婚ねえ」
「どうなんでしょ？」
「結婚はいいよぉ、僕なんか２回したくらいだから」

彼女は
こんなオッサンに相談したのが間違いだったと
軽蔑した眼差しを置いて帰っていった

それから５年後
ふたたび彼女

「離婚しようかと」
「離婚ねえ」
「どうなんでしょ？」
「離婚はいいよぉ、１つの不幸が２つの幸せに変わるんだから」

彼女は腑に落ちたようで
帰っていく足取りが軽そうだった

まもなく彼女は、再婚したらしい

こうして世界は
私のアドバイスどおりにすすんでいく

からすみとこのわたの
区別がつかない人がいるのを除けば