夏の陽射しの白線
komasen333


掴みかけては
率先して自ら撤退
優柔不断を
反省どころか 美徳とさえ思っていた日々


何を売るべきだったのか
何を得るべきだったのか
自分で自分に問いかけずにはいられない
鏡に駆け込むたび
何十分も仕事を忘れて 詰問苦悶で


処刑台代わりの夏の陽射しのホーム
容赦なく
露にされてゆく
この身体の、この志向の、この感性の、この
習性の、この自制の、この記憶の1番、1番
素晴らしくて
 素晴らしくて
  素晴らしくて
  それはそれは醜いとこをピンポイントで


メラメラ
 ゆら、ゆら
  無声音をこだまさせる白線の内側
メラメラ
 くら、くら
  落涙を汗に馴染ませる白線の内側


何かが楽になるような気がして
何かがはじまるような気もして


しらふでギコチないホップ
千鳥足のようにはいかないステップ
夏の陽射しを
静かに照り返す黒い革靴が
白線の外側で
わたし発とはとても思えないジャンプ


自由詩 夏の陽射しの白線 Copyright komasen333 2021-07-19 22:29:45
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