美しい世界
鳴神夭花

光がすぱっと切れるのを見る、閉ざされている。咄嗟の思考を掻い潜るように鳥の影が横切っていく。
摩天楼、
さよならの仕方も忘れてしまうような僕たちの頭上、四角い世界。枠外から枝が葉を揺らしては風の証明をしていく。此処には余白がある、僕たちはそれを知っている。どうしようもないそれらに何を書き込んで良いことを、知っている。
解答。
それは正解にほどよく近い。光がまた切れて、それでも繋がっていることを影が指し示している。


自由詩 美しい世界 Copyright 鳴神夭花 2021-05-17 22:56:31
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