何の変哲もない風景
番田
午後、僕は一人でぼやけた通りを見ていた。そしてなかった、なにも、僕のたった一つの一日に。昔聞いたことのあるかのような車の音だけが響かさせられている。僕であるということを生きていたのは、僕だ。思い出の何もない通りで口にしている、僕の、午後。そして、僕はこれといって、音楽を聴いたり夢を見るということ以外には、大して何もすることはなかった。夜の、きっと青い鳥の飛ぶ日に確かなのは、あの不確かな空だけで。
自由詩
何の変哲もない風景
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番田
2021-03-20 01:33:59
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