荒れ地
ひだかたけし
鈍い痛みを抱え
月も氷るこの冷夜
紡ぎ出される救済の
余りの味気なさに
呆れては
ぽつぽつと辿る
情念の
小さな鏡に反射する
忘れ去られた純情に
身悶え七転八倒する
消失した記憶の轍
虚脱した想いの堆積
あゝ進めば進むほど
蒼然とする
この荒れ地に
溢れる涙を埋めていく
滔々と降る宇宙から
溢れる涙を解き放つ
自由詩
荒れ地
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ひだかたけし
2021-02-16 19:04:47
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