約束は守れないもの
こたきひろし

昨夜 家族が寝しずまってから私いつの間にかも眠ってた
私は感情のたかぶりやすい性質からか そのせいか わからないけれど
なかなか眠れないのだ

それがさすがに睡魔に襲われて眠ってたのに おこされてしまった
寝ぼけた目を開けるとびっくりした事に 知らないおんなが私の体の上で正座してるではないか
心臓が止まるくらいの衝撃だった

思わず聞いてしまった
 あんた誰だよ どうやって家に侵入し何で私の体の上で落ち着いてるんだよ まさか一家殺人でもするつ
 もりじゃねぇよな
するとおんなはこたえた
 安心しなさい あんたの心臓にナイフ付きたてたりしないから
 あんたは忘れてるようだけど あたしはあんたのおかあさんだよ
言われて私は反発した
 そんな戯言誰が信じるか
 おふくろとは似ても似つかないじゃないか 
あたしはあんたを産む前 ずっとずっと前のまだお父さんと出会う前のおかあさんなんだよ
俄に信じがたい言葉だった
 あんたの言う通りなら覚えている訳ないよな
 どうせなら分かる姿であらわれてきてよ
そう言ったら
 ヤダよ おばあちゃんには戻りたくないからさ
即座にこたえた そして言った
 どうだいおかあさん綺麗だろ 若くてピチピチしてるよね
自称 母親のそのおんなははじめから私の体の上で正座してるのにぜんぜんおもくない
これはおかしい
と思った瞬間
隣で聞き慣れた声が
 あんたさっきから何一人でぶつぶつ言ってるんだよ
それで引き戻された

やっぱり夢だった


自由詩 約束は守れないもの Copyright こたきひろし 2021-02-13 10:10:06
notebook Home 戻る  過去 未来