あの初恋
中村 くらげ

繋いでいたいから
離れて行く
風船に手を伸ばして
掠めた指先と赤い糸
結んだおみくじには
書いていないこと
信じなくて待っている
遅れてごめんといいながら
新春過ぎの春風が吹く
風船にはもう届かない
まだ手を伸ばして


自由詩 あの初恋 Copyright 中村 くらげ 2021-02-03 00:06:16
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