冬麗と吉兆
道草次郎

目に見えぬ
そてつの花粉
やるせなく
潮の先触れ
丘下り

ああ風は
吹いたり止んだりの
まるで
ゆえなきビブラート

掬ったみそらで
すすぐ顔
静まりかえって
もがり宮

疾風怒濤の
蝶の舌
星のむくろに
じゃれる猫

丘のむこうへ
花散って
また来ん春の
桜とも





自由詩 冬麗と吉兆 Copyright 道草次郎 2021-01-25 21:47:12
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幻想の詩群