Sci-Fi anthology 筑摩世界文学大系編
道草次郎
この文学全集でこんな短編を読めたらなあ、という夢想。『筑摩世界文学大系』は言わずと知れた高名な文学全集だが、その素晴らしさは歳月を経ても色褪せることは無い。そんな『筑摩世界文学大系』の続きに、もしこんな次巻があったとしたら・・・、というのが今回のアンソロジーのミソだ。
前回に引き続きSF及びその周辺から採った。カルヴィーノの「鏡の宇宙」だけは連作集『パロマー』から引っ張ってきたものである。今回は、全編が雑誌以外の何かしらの媒体に収録されている筈だ。英米編よりは心持ち国際色豊かとなり、幻想味も幾らか増したかも知れない。収録作品に特別の選定基準は無いのだが、強いて言えば「三段組で読みたいと思うSF」、がそれにあたるだろうか。
※(未刊行)『筑摩世界文学大系92』~周辺の文学~作品集×××××団精二・篠田一士編
・J・G・バラード「溺れた巨人」 The Drowned Giant (The Terminal Beach 1964)
・フリッツ・ライバー「変化の風が吹くとき」 When the Change-Winds Blow (F&SF 1964/ 8)
・R・A・ラファティ「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」 Thus We Frustrate Charlemagne (Galaxy 1967/ 2)
・マイクル・スワンウィック「世界の縁にて」 The Edge of the World 「Full Spectrum II 1989)
・イタロ・カルヴィーノ 『パロマー』より、Ⅲ・3・2「鏡の宇宙」
・スタニスワフ・レム「ビット文学の歴史」 A History of Bitic Literature from History of Vite
・ロバート・シェクリイ「時間に挟まれた男」 The Impacted Man (Astounding 1952/12)
・アドリアン・ロゴズ「確率神の祭壇」 Atarul zailor Stohastici
・シオドア・スタージョン「墓読み」 The Graveyard Reader (editor:Groff Conklin The Graveyard Reader 1958)
・シオドア・スタージョン「輝く断片」 Bright Segment (Caviar 1955/10)
・アーシュラ・K・ル=グイン「アカシア種子文書の著者をめぐる考察ほか、『動物言語学会誌』からの抜粋」 "the Author of the Acacia Seeds" and Other Extracts from the Journal of the Association of Therolinguistics
・ホルヘ・ルイス・ボルヘス「記憶の人・フネス」 Funes el memorioso
・あとがき レジナルド・ガリヴァー「ペトリ皿から淋菌の形而上文学へ~わが青春の怪書遍歴」
ASIN : ×××××
出版社 : 筑摩書房 (2076/1/1)
発売日 : 2076/1/1
単行本 : 135ページ