さようならトランプ、さようならアメリカ
花形新次

実はアメリカが嫌いではない

何度か行ったカリフォルニアは
ゴージャスおねえちゃんが一杯で
「イッツアカリフォーニャー!」だったし
ニューヨークのバーで
トム・ウェイツみたいなダミ声で
弾き語りしている横で
バーボンを飲みたいとも思う
ドラッグとアルコール漬けの
ハンター・トンプソンやブコウスキーも
バロウズも好きだし
ハメッドやチャンドラーの
ハードボイルドは手放せない

しかし、何か嫌なのだ
親類にアメリカ人がいるけれど
表面的な取り繕い方に
虫酸が走るのだ
健康健全志向の
振るまいが鼻につくのだ
反吐が出るほどに

俺はそれを
精神的ヴィーガンとか
精神的グルテンフリー
と呼んでいる

実は全然そんなこと信じちゃいないし
単にポーズでやっているに過ぎないんだよ
そんでもって口ではカッコいいこと言うけど
一皮剥けば
大統領執務室で実習生に
口でさせて喜んでいるんだ

そんな化けの皮を剥いでくれるのを
トランプに期待したけれど
これで元の木阿弥だ

もうアメリカなんか当てにしちゃいけない

そうだ、核兵器を持とう!
(京都に行こう と同じトーンで)







自由詩 さようならトランプ、さようならアメリカ Copyright 花形新次 2021-01-08 21:32:22
notebook Home