夢雪
ひだかたけし
夢のなか
凍結した
雪夜の道に
滑って転び
はたと気付いた、
生活を共にした
君はとっくに
居なくなっていることに
)身籠った君の身体を
)雪道に支えたあの日、
)君はお腹の赤ん坊の
)トクトク鳴る心音に
)果てなく目を潤ませて
降り積もる雪
真夜中近く
深く深くなり
僕は埋もれ
はらはら
はらはら
宙に
舞い消える
君
を
ただ呆然と
見送っていた
音もなく
降り続く
雪に 雪に
夢雪に
自由詩
夢雪
Copyright
ひだかたけし
2020-12-16 19:05:39
縦