幼き詩人
秋也

塵、芥の乱反射
煌めきとなり
尊き美しさが均一的に広がる

可視光線の散乱は
夕焼けの原因であり結果
遠い山の噴火は赤をより赤く
原始や古代に回帰を促す

人は終わりに絶えるものだけれど
破滅ではなく、希望へ
0ではないから
螺旋階段で遊ぶ、子供のように
上まで揺蕩いながら登っていく
光化学スモッグ警報が流れた暑い日
公園でボール遊びに興じていた子供のように

コロナウイルスが蔓延した世界で
言葉遊びをふつふつと繰り返す
我らもあの日の幼さを継続している
誇っていい
素晴らしく未熟で欠けていて足りなさしかない

詩人にとって月は欠けている方が美しいのだから


自由詩 幼き詩人 Copyright 秋也 2020-11-15 18:41:17
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