言葉の壁に挟まれる(!)
道草次郎
どんどん
書けなくなる
次第に
言葉の壁が四方から迫ってくる
盗掘したわけではないのに
インディージョーンズでもあるまいし
スナイパーが潜伏しているらしい
フレーズの鳥は羽ばたいた途端
撃ち落とされてしまうだろう
一つ一つの単語がソクラテス
今にも毒ニンジンをあおらんとしている
比喩の篝火をかざすと
自分もろとも全焼してしまいそうだ
品詞たちは手錠をされ
一列にならんで奴隷のように歩いている
いったいどこへ向かうというのか
「もうだめだ!」
そう叫びそうになる
ぼくはベッドからはね起きていた
夢だったのか…
しばらく遠くをながめていると
ぼんやり何かが見えてきた
それは四方から少しずつ
こちらの方へと近づいてくるようだった
夢だって?
ああ夢かもしれない
でもいつ終わるか知れない夢が
うつつと
一体何が違うというんだよ