ひとりの夜
ガト

みんな同じだよ
私だけ特別なわけじゃない

そう思って
愚痴は誰にも言えなかった

ある日家族がみんな出かけて
一人の夜に

テレビを見ながら
ひとりごとを言った

私は無意識で
死んだ父に繰り返し謝っていた

母が死んでしまうのが怖いと
誰かに言いたかったのかもしれないし

どこかで心置きなく
泣きたかったのかもしれない


自由詩 ひとりの夜 Copyright ガト 2020-11-13 04:42:44
notebook Home 戻る  過去 未来