光 プリズム
おろはげめがね

風を待つ秋の夜に路傍で空を見上げていると小さな星がひとつ消えました

その星の光は何万年もの旅をしてここにたどり着いたといいます

何万年も前に小さな星は消えていました

私が見ていたものは星だった光です

星だった光と私だった記憶が出会ったこの夜にも誰かが死んで誰かが生まれます

人は死んで二度と戻りません
星も消えて二度と戻りません

この宇宙だっていつかは壊れることを知っています

子供の頃それが怖くて神様にお願いをしました

どうか明日世界が終わりませんように
僕と家族と友だちが死にませんよう
毎日お願いしていました

夜中に目覚めた時にはいつか死んでしまうこと、お父さん、お母さんとお別れすることが悲しくて泣いていました

あなたも私もいつか死んでしまう
あなたも私もいつか死んでしまう

それが怖くて神様にお願いしました

永遠を下さい

永遠はありません

でも、愛は永遠です

永遠とは愛のことです
愛とはあなたが一生懸命生きることです


いつだったか嘘をつきました

もう誰も俺の事を信じないで下さい
と言ったら
あなたには
嫌よ
と言われました
涙が落ちました
それは今日と同じような秋の夜
あなたの小さな手に支えられて私は泣きました

ありがとうございます

生きています

愛とは一生懸命生きることです

あなたの愛に支えられて
あなたの愛に支えられて

それは死ぬまでそれぞれの愛
それは死ぬまでそれぞれの愛

愛してるし愛してるし愛してる
そして愛してる


自由詩 光 プリズム Copyright おろはげめがね 2020-11-12 22:23:49
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