カプセル
吉原 麻

6畳の畳は意外と力強くて
意思の弱い私も思いきり泣けた
食パンののった机が
妙な安心感につながる

さ おくるよ

そう言って
人差し指でキーをくるくるまわす君は
黒のトレーナーをかぶる
破けたジーンズのひざは
骨ばっていて
痩せたみたい

裾野の商店街のまんなか
24時間営業のスーパーのそば
三島線の細いのぼりみち
見下ろす夜景
ちっちゃい 偽物


声は いつだって 消えてなくなってしまう ようだ


自由詩 カプセル Copyright 吉原 麻 2005-04-17 22:38:03
notebook Home