水の街
ひだかたけし
坂道に
水の流れ、
大量に
夜の透明、
車は行き交い
飛び込んでいく
人、人、人
君はスマホの
中に居て
綺麗な声で
歌っている
聴いたことのない
異国の歌を
夢見心地で
歌っている
やがてバスが
昇って来る
君と僕を
見知らぬ町へ
運ぶため
水に浮かんで
やって来る
二人一緒に
迷子になる
足場をすっぱり
切り取られ
抱擁しながら
宙に舞う
絶望と歓喜を
乗せたまま
透明な水の街中を
バスは静かに
進んで行く
自由詩
水の街
Copyright
ひだかたけし
2020-11-09 20:38:35
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