エデン
ミナト 螢

胸のいちばん平らな場所に
風が吹いていた
髪の毛を斜めに分けるような優しさで
朝を迎えたのに
格好つけて整えるから
人はそれぞれの姿になる
過ぎていく時の中で
忘れないでと願っても
僕とは違う生き方をする
君の心まで時計に出来ないな
笑っていた日も
泣いていた日も
窓の向こう側を気にした
何かに遠慮して
ふたりになれなかった僕等は
いつも見知らぬ街を
探してしまう


自由詩 エデン Copyright ミナト 螢 2020-10-20 21:10:50
notebook Home