これでも詩だってのか?
道草次郎

どこか短気で
頭もバカだから
この何もかもに
たったの一言で以て始末をつけたいのだ
でも直感として分かっている
はなから
一言でつけられる始末じゃないってことは

でもなかなか
謙虚になれない
そして
なぜ謙虚になれないかを探す旅に
出るのがこわい
それを見つけたら
自分の正体が暴かれてしまう
ということが
分かっているから

だから
中途半端なまま
幻の一言にすがるんだ

こういう心の働きはありふれていて
自分はそういうものに属する
……
ほらまた
カテゴライズだ
カテゴライズなんていう言葉は響きが難しいだけで
馬鹿の一つ覚え
と大して変わらないことが
これでよく分かるというものだ

こういうのも
一つの範型に収めたがるやつだ
範型のスパイラルはこれじつに甘美なり

それは
絶望にとてもよく似ている

そういう
詩ともつかない逢着
なの
だった


自由詩 これでも詩だってのか? Copyright 道草次郎 2020-10-13 23:59:34
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