とりあえずニュートラルで
道草次郎
書いては消し書いてはまた消し
消しては書いてまた消して
でもって出来上がった中途半端なのをアップする
我慢がきらいな性分すぐにでも褒美が欲しいのだ
大した褒美じゃないけどないよりはマシだから
でもよく考えたら学校で教わる事の大半は
目の前にぶら下がってる旨そうな肉を前にしてじっと待つ事だった
人間と言うやつはどうしてこう我慢が好きなんだ
どうして辛抱しなきゃならないんだ
今ここ
たった今ここに
出現したつもりになってみれば
なんだってできそうなのにな
過去やら先々のことやら貯金やらローンやら
ペッと唾と一緒に吐き出したいよ
でもできない
この詩にため息ほどの効果があればいいけど
ため息というのはどうも他人よりもまず自分を愉快にしない
でも愉快でないことを好むのも人間で
そんな人間の古臭い伝統だけはちゃんと踏襲しているのだ
飯が旨くなくなって
性欲がなくなって
寝れなくなったら
そりゃあ
飯が旨くなるよう舌をどうにかするだろう
情欲をわかせるようアレコレ試してもみるだろう
眠れるように眠剤だって飲むだろう
たしかに人間には4つ目の欲もあるにはある
それは詩だとかゲイジュツだとか音楽だとかスポーツだとか人さまざま
でもこの4つ目と長く付き合っていくのは凡人には骨が折れること
凡人は
食べて
やって
寝て
そんなとってもシンプルなものが好き
これをケイハクだとかフケツだとかナマケだとかいうやつは分かっちゃいないのだ
ところで言いたいことはこれといって無いのだった
どうもすみませんなのだ
だけどすこしスッキリしたのだ
まあこうやって4つ目に助けられることも時にはあるんだよ
だから分かっちゃいないのは自分なのかも知れなくて
でもそのうちこのスッキリもどんよりしてくるのだから油断してはいられないのもまた事実で
この今
この今ぐらいの状態を一言で言い表す言葉を知りたいものだ
あ
この知りたいという欲求は4つ目に属するものだろうか
これはいわば3.5つ目の欲求というところかな
世の偉い詩人さんたちがあのむつかしい詩に込めてるのはちょうどこんな具合なものかしらん
なんて思ったり
でも凡人は凡人の道を往く
食べて
やって
寝て
これを下品というなら下品のままに
その心が
美しいものを美しいという時の心とどこが違うのかと
凡人にはちっともわからないと嘯きながら