とくにない
道草次郎
あまりに多くの悪徳を重ねてきた
まともな頭ではもうない
精神の波はあまりに高かったり低かったりする
地べたをはうようだ
もうじぶんはいい匂いの、きのう庭で見たシュウメイギクや金魚草のやさしさのような
いいものを自分へ送れそうにない
それからじぶんの大事な人へもおくれそうもない
そらい
つらい、と書くともっとつらいから
空のイメージと重ねる
そらい
きょうはもう一日死んでいるかもしれない
だれもみな苦しんでいる
だめになった
じぶんはそろそろだめになった
12時間般若心経を唱えていた
もう、てつがくしかないんだなとおもってみても
しあさってからは元気にならなきゃ
こどもがいる
なんとかしなければ
せいかつがつらい
しかし
つらいのはじぶんでない
つらいのはじぶんいがい
じぶんはしぬ
じぶんをしなせていきていく
返信がこない
返信しなかったし
すべてははてしなくはてしなくはてしない
みっともなく
じぶんはこうするよりほかにできない
それでもじぶんはじぶんを愛してやまないこれは執着
(南無阿弥陀仏)
すがれるものならなんにでもすがろう
理をなどつまらない
鎌倉以降
ほんものはなかったとおもう
金の事ばかりをかんがえている
工面のことばかりだ
度し難いじぶんをすてたい
この詩もすてたい
書くこともすてたい
死んで自分の骸が
虫に喰われ微生物に分解されていく様を眺めていたい
そこに美はあろうか
これは破滅だろうか
それとも復調だろうか
なんだろうか
返信がない
寝たい
じぶんは、たぶんどうかしている