涙跡
道草次郎
枕に顔をうずめた状態で
目を覚ますと
決まっていつも、右目の目尻の辺が軽く濡れている
覚えはないが
魚だったり、女だったりしたろうか
食われたり、食ったりしたろうか
テナガザルだったり、したろうか
ひどいことも善いことも、同じだけしたろうか
なんでも無かったことも、あったろうか
よくは思い出されない
ただ、目尻が乾いていく時が
なぜか一番かなしい
自由詩
涙跡
Copyright
道草次郎
2020-09-29 05:55:29