ネット詩人はゾンビである
自由美学

ポエマーの皆さん、こんにちは!

ところであなたは、ポエムチックな長文ラブレターを送ってフラれたことはないですか? ポエマー体質な自分なんかは、すぐこれやらかします^^
普通に書いたら面白くないことを普通に書き、ただでさえ気持ち悪いものをさらに気持ち悪く書いてしまうと、ポエマーの感覚では「ヘタクソ」になってしまいます。しかし、普通の人のただの日記ならばそれでいいのです。真実を書いているだけですから。
ただ、ポエマーに求められるものは真実を歪める「嘘」です。普通のものを普通に見ない感覚がポエマーには必須です。異常な視点から切り込んでくる普通、普通じゃない普通、こういった「ひと技利かせたもの」が「詩」というものであるとするならば、ポエマーは嘘が上手でなければならないのです。
そして、このクセが習慣づいてしまったポエマーは、なぜだかポエムがすらすらと書けるようになるほど恋愛がギクシャクしていきます。どうにも潜在意識下の「脚色グセ」が邪魔をして、日常の言語表現でもことごとくしくじるわけです。
ここに、自治会主催のポエムコンテストで大賞を受賞し、己のポエムセンスに絶対的な自信を手にしてしまった一人のポエマーがいたとします。こいつが恋をすると大抵こうなります。片思いの相手を渾身の一句で落としてやろうと、いまだ味わったことのない感動に身を打ち震わせ心を鷲づかみにしてやろうと、ぶっ飛んだドン引きラブレター放って終了です。
そんな、どこにでも応用は利かないというポエムの手法の話でした^^

それはさておき、詩を作る(読む)ときの基準として私は、まず、これは知り合いに読んでもらっても通用しそうな詩かってところから入っていきます。
なぜなら、現実世界ではポエムのポから敬遠されるのが常ですから。ネットに氾濫するポエムには、どこの国に迷いこんで来たんだってぐらい異次元臭プンプンしてるものが多いなっていうのが私の印象です。そんでも、ながーいこと見すぎたらそれも麻痺してくんのねたぶん。
そもそも、誰が知ってんねんな現代詩フォーラムを、現代詩を、詩を、ってところからのスタートなんですよね本来は。初対面の人から趣味は何かと聞かれたときに、はっきりと「私は詩を書くことです」って答えられるかって考えると非常にわかりやすいですね。
『は? 詩って何。やばっ。こいつ絶対めんどくさい』みたいな、絶望的な反応しか見えないですから。自称ポエマーなんてそんな自殺的肩書いらねーよ!っていうぐらいの、そんなちょっといわくつきの世界ですよね。つまりポエムとは。

それにしても、ネットには平和なポエマーが多すぎると思います。
わりと、詩自体が気持ち悪い、詩人=頭イってもうた人みたいな認識が普通だと思うんですよリアルでは。それが、私のような半端者が顔を突っ込むと、俺らのポエムがわからないお前がアホなんだみたいにうっかり反撃食らっちゃう世界なので本当ホラーですよ。ネットポエマーは狂暴なゾンビですよ。
どうせなら、ネット詩人は今こそ、家族や職場の同僚に通用するような表現を目指したいじゃないですか。それならばやっぱり、表現したいところを自分の言葉で言うのではなく、ターゲットにチャンネルを合わせて配信しないと伝わらないですね。読者層の目線に合わせて言う技術、言い換えをする技術が要りますね。自分たちじゃない、ポエマーじゃない人たちの言葉で迫らないと一生ゾンビですね。


散文(批評随筆小説等) ネット詩人はゾンビである Copyright 自由美学 2020-09-23 08:25:35
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