私は老人ではない
こたきひろし

もし
もしもだけどさ

ある朝に目を覚まして起きだしたら
私の体に異変が起きていて
まるで天使みたいに背中に羽根が付いていたとしたら

そうなったら
私はこの人生を一度リセットして
最初からやり直せるかな

 何を馬鹿な事を言ってるんだよ
 たとえ天使みたいに羽根がはえたとしても
 それくらいで人生は何も変わらないよ

そんな訳ないでしょ
背中に二つ翼がはえたらあの空に羽ばたけるでしょう
きっと自由に飛び回れるよ

 僕は翼なんていらないよ
 たとえ空を飛べても人間の力には限りが有るから
 渡り鳥みたいに遠く迄は飛べないよ
 第一僕は渡り鳥で一生終わりたくないよ
 僕は人間で一生終わりたいし
 どうせなら飛行機の窓から空を眺めたい

僕さん 貴方はどこまでも現実的な人なんだね
夢を持てないって言ったら失礼かな
夢を創れないでしょうね

そうやっていつかは歳月を重ねて
幸せな老人になれるかもしれないけど



自由詩 私は老人ではない Copyright こたきひろし 2020-09-19 01:15:10
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