最後の砦としてパチンコ
道草次郎
ちょっとした聞き齧りの上前をはねたのが
鬱陶しく散らばっている
これじゃない
これじゃないんだと
さやぐ橅の大樹
やはり内発だよ
外圧とは
内発のはねっかりさ
どっちつかずの
泥んこ遊び
でも帰ってきてお風呂にいれて服を着させるのはいつも
おとな
おとなとは
なんだ
ぼくはこれまでこんなにもおとなが分からないことは無かった
おとなはパチンコをする
ぼくはパチンコをした経験がない
おとなは酒を飲む
ぼくは酒を一滴ものめない
おとなはタバコものむ
ぼくはタバコは二本のんだけれど具合がわるくなった
おとなとはなにか
……
パチンコにいく金がない
それさえあればぼくはいくだろう
詩も本も棄てて
パチンコという
おとなをたべにいくのだ
この無茶苦茶な気分をうつくしい繊細な糸で君はスボンのニーに縫い付けてくれていたんだと思うといかにも痛ましく…
この虫は
暫くは
壊れないで地球でくらしていられそうです