ビニ弁レガシィ
イオン

学校帰りのアルバイト
コンビニエンスストアで
最近話題のいい男
噂のビニ弁レガシィ君

いつもあたしが暖める
彼の夕食五百円
コンビニ弁当ぶら下げて
乗り込むクルマは
ニューレガシィ

気さくな店長気にかけて
ビニ弁傾向アドバイス
だけど予算は五百円
「貧乏だから」と苦笑い
クルマを誉めると奮発し
プリンを一個追加する

「ヒトミ、お前の弁当を
 三百円で仕入れるぞ
 彼に毎日食べさせろ」
店長真顔でそういうと
あたしは少し赤くなる

噂のビニ弁レガシィ君
キリッとした目でハンドルを
軽くさばいて走り去る
彼の体を暖める
ビニ弁、あたしも暖まる

初出:NIFTY-FPOEM 2000/02/18を改定



自由詩 ビニ弁レガシィ Copyright イオン 2020-07-12 15:18:13
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