空中歩行
塔野夏子

緑の並木道
とおり過ぎてゆく人たちと日々たち
僕は空中歩行

さりげなく浮かぶ雲
消えては生まれてゆく
自由みたいに

風の声に沿って歩いてゆくと
いつかまたあの丘へ
そして遠くから鐘の音

今日は君がいるかな
いないかな
でもどちらにしても君が好きだよ

どうしてだろう
なんだかすこしさびしくて
そしてかなしいけど

もし雨が降り出したら
お気に入りの黒い傘をひらいて
僕は空中歩行

こんな僕の姿が君に見えるかな
見えないかな
でもどちらにしても君が好きだよ



個人サイト「Tower117」掲載


自由詩 空中歩行 Copyright 塔野夏子 2005-04-13 22:25:08
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