雨粒
佐白光


 アスファルトに落ちる雨音を

 消し去る足音が聞こえれば

 傘を持つ私の手にあなたの手が重なる

 小さな傘を分け合う二人は

 時間も分け合い

 同じ道を歩いているはずだった

 一つの想いを消し去るように

 雨音はさらに強く傘を打ち付ける

 傘を持つ手に重なる温もりが消えた時

 風に飛ばされた雨粒が

 私の目を庇ってくれた

 


自由詩 雨粒 Copyright 佐白光 2020-06-13 02:13:14
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