目が覚めたら、口を噤む
noman

昨日まではただ
過ぎ去っていくだけだった
今はぼんやりとした灯を
消せずにいる

曇り始めた視界の中
散在する音楽に
注意を
払いすぎないよう


消せない灯がゆっくり熔け
ていくのを
待っている

定形の夜は少しずつ
薄らいで
淡水の感触だけが螺旋状に
立ち昇る

昨日までは

夢の
中にしか 無い季節
または重い
金属のぶつかり合う振動と
囁き声


自由詩 目が覚めたら、口を噤む Copyright noman 2020-05-22 21:34:44
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