雨音ワンダー
這 いずる

「る、」
雫の垂れ落ちる音がまとわる
離れないわたしを誘う夜に
踊って、と言う
雨粒が傘に当たってはねる
「る、る、ら」

不定期のリズムに調子を合わせて
あなたと調和する
「る、、ら、」
なんて夢物語は傘から滑り落ちる
雨に乗せて流す

「る、」

夜の話からうまれた願いが
同じだと良い生き延びたいね
わたしとあなたと
一緒に手を取り合って街の外まで
なんて実現可能性を未知にして
耳をすまして
雫に合わせて揺れている
てるてる坊主はもう吊るされた
早く
言葉は無視して


自由詩 雨音ワンダー Copyright 這 いずる 2020-05-05 17:54:56
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