ベルフラワーの妖精
丘白月

天の川から
星がこぼれる夜
拾い集める妖精は
いつしか
ホタルのように
花の中で眠る
ベルが聞こえる
遠いところから
逢えないあなたの
声だけが届く
陽が長くなって
春が短くなっていく
初夏の匂いとすれ違って
逢える夜が訪れる
ベルフラワーの中で
待ちくたびれて
涙が花びらを
紫色に深く青く染めていく
あなたが覗いても
眠ったふりをして
じらしてみる
キスをしてくれるまで


自由詩 ベルフラワーの妖精 Copyright 丘白月 2020-04-22 22:29:13
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