降る雪の病
すいせい


いっせいに死んでいく
わたしたちのかけらというかけらが
ただひとつの空という造語をめざして
ふりつもっていく


こんなにも無関心な
あなたたちの静脈が
すずしげな顔でわらべうたを模写していて
急行が止まらなくなった駅
咳をして振り向いても
だれもいない
第三関節が少し荒れてしまったね
それが たとえば
さいごのことばだった


いっせいにひらいていく
とうとつなことなどなにひとつなく
わたしたちはふりつもる
この病の丘に
いくせんの言葉の
いくせんの無力をだいて
ただかんしょうに
ふりつもっていく


わたしたちのからだは
もう古びてしまったから
台所で踊るチキンをスープへと変換して
それからまた back spaceして
そうしてなかったかのように
いきる


きょうは晴れだったよ




自由詩 降る雪の病 Copyright すいせい 2020-04-22 11:19:02
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