病流行れど地球動ぜず
秋也

バターのように
じんわり溶けた


融和かな
消滅かな

さしも発酵熟成は進み
腐敗か食べ頃

収穫する葡萄を初手からかびさせる
貴腐ワイン
甘く甘く舌鼓

果たして国と人は深みを増すのか
株式相場だけが右往左往と上下に踊る
つくりだされた経済は
よちよち歩きの赤ちゃんか
人工呼吸器をあてがわれた末期の老人か
いざ丁半勝負
「さあ、張った張った」

広大なサバンナ
アフリカ象の親子が水場を求め
今日も歩く
夕焼けに大きな背中を赤く染め
寄り添い寄り添う







自由詩 病流行れど地球動ぜず Copyright 秋也 2020-04-17 14:55:11
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