ピッピ

少しだけ死なせて、と
たった一人
君が言った
春の
うつくしい夕暮れだった
ぼくは
君なら死んでもいいと
思ったから
ばんご飯の時間には
帰っておいで、
と言った
ぼくは君が
いつもどんな死に方をするのか
知らないから
じっとだまって
君を見ていたら
君は天井にねじをうめこんで
ポッケから出した細いひもで
首をつってそのまま死んだ
おしっこが
君のスカートからぽたぽたたれていて
ぼくはそれをすすりながら
猫になりたいとおもった


自由詩Copyright ピッピ 2005-04-11 18:49:57
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四季
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