見苦しい、シャドー
ホロウ・シカエルボク


唾をべっと吐いて
スタンスを取り
必要以上に
鋭い眼光で
強い態度で
何の責任も要らない、関係のない
政治やメディアに噛みついて
なんならやってやるぜと
ジャブを繰り出して見せる
よう、やってるね
やわな拳してさ
当てたことなんかないんだろ
詩人なんだって?
あんたの詩、読んだことないけどね
いつだってたわごとばっかでさ
ストイックな態度取ってるけど
少々腹が弛んでるんじゃないのかい
他人のアラばっか探してると
自分のことが見えなくなるものさ
真剣なのかもしれないけど
無責任にゃ変わりないぜ
糞垂れ流して知らんぷりかい
ケツ拭けないんなら
何も言うべきじゃない
革命家の名前なんか出すなよ
ワードにしがみついてるだけのくせに
お前のやってることは
フル・ラウンドのシャドーボクシングだ
15ラウンド戦っても勝つことも負けることもない
空振りが前提の戦いなのさ
自覚してんのかどうか判んないけどね
ひとこと言わせてもらっていいかい?
お前みたいなのが居るから
詩人ってもんが妙な誤解を受けるんだ
見苦しいシャドーはやめて
てめえの弛んだ腹に
全力のブローを打ち込んでみちゃどうだい
そしたらみんな判ってくれるさ
「吐いてます」って
宣言しながら吐く血反吐なんかない
その赤さには
見てるものを納得させるようなものはないだろう
説明しなきゃいけないものなら
もう、やめちまえ、たたんじまえ
本番の舞台で台本を広げてる役者みたいなもんだ
情熱をはき違えるなよ
安易な舞台に居ついてしまったら
もう二度と
そこから降りることは出来ないんだぜ



自由詩 見苦しい、シャドー Copyright ホロウ・シカエルボク 2020-04-07 21:25:32
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