3学期の天使
山犬切

夕暮れの電車で賢治を読んでいる 換骨奪胎 世界を騙せ

朝が来て頭に楕円を今日も描く There are two colors in my head.

本当は待ってるんでしょ教室がテロリストにより襲撃されるの

無意識で苦手分野を克服したいあなたに夢の通信教育

授業中<超越>をなぜか夢見たよ 風に膨らむカーテンの襞に

自慰や字慰、示威などに費消される生 素朴な退廃とでも言おうか

コンビニを結んで出来る多角形。君は一生そこから出れない

Life is not found, but then I'm accustomed to nameless days.

夜行性昼行灯の盆暗よ暁に歩け垢尽きるまで

思想とは蚊取り線香の逆再生 逆上がりした子の幻像だ

駅前でティッシュを配る人間に"本当のこと"を言われ凍った

「象牙の塔」をエレベーターで上下する日常の果ての天国あたり

鏡なく彷徨う人の海を見ていた 日本というこの暗黒大陸

肛門からうんこが出てくる映像を逆再生して一日が終わった

愛という人工衛星が統べている非肉眼的不断革命

poem is deadと唱える人がいる 一部では今も戦後なのだろう

駅前で芋虫はついに孵化したね Happy birthday to people

中世ジャップランド行きバスジャックしてdestinationはheavenとなりき

フクシマの観光に来た聖家族 最後の人間まであと何年?


短歌 3学期の天使 Copyright 山犬切 2020-03-16 08:53:39
notebook Home 戻る  過去 未来