珊瑚の森
丘白月

枝とわずかに残る葉も

みんな白く凍りついて

星の妖精のように

光を森のすみずみまで配る

氷の木々が珊瑚のように

森の海底で静かに息をする

足跡のない雪は

砂のように流れていく

妖精が小枝に座り

六花を降らす

美しい雪の結晶が

珊瑚の森に音もなく

降り積もってゆく

六花を一枚そっと

髪に飾る妖精

珊瑚の森で今夜

恋が生まれて

夜明けには

雪を愛で溶かすだろう




自由詩 珊瑚の森 Copyright 丘白月 2020-03-12 14:11:38
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