引き出し
たもつ

午後が落ちている
歩くのに疲れて
坂道を歩く
人だと思う

エンジンの音
やまない雨の音
降り積もる
昔みたいに

曜日のない暦
夏の数日
確かに生きた
覚えたての呼吸で

何も残らない
すべてが愛しすぎて
朝の手
夜を触る

音のない言葉
共有の嘘
引き出しを開けてごらん
虹が入っている



自由詩 引き出し Copyright たもつ 2020-03-10 17:27:01
notebook Home 戻る