三月のイルミネーション
TwoRivers

電飾が外された夜に
一層輝くイルミネーションが
虚実入り混じる世界に
一つの答えを教える

冷えきった世界を精一杯に彩り
幸福を志した夜は過去のこと

暖色の光に温められたつぼみは
既に臨界点

春を一番待ちわびたはずの君が
寂しそうに手を振る

(花は無垢だからためらわないから嫌いだ)

強がる君にも
相変わらず輝く夜が
それでもいいよとだけ告げて
くしゃみした


自由詩 三月のイルミネーション Copyright TwoRivers 2020-02-29 12:22:05
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