さん、らん、、、
岡部淳太郎

さん、らん、する、さん、さん、と降りそそぐ、ひかり
の卵、ひかりが、生み、落とす、きのうへの、あしたへ
の、記憶、あなたがいない、そのことのために、はつね
つする、記憶、、、さん、らん、する、さん、ぜん、と
かがやく、木陰のしたのめだたない、ちいさくひからび
た、へそのお、あなたが渡り終えた、橋の向こうで、卵
は散らばり、ほそうされていない道の、まだしるされて
いない、足あとのうえに、あなたは散らばり、、、とぐ
ろをまく、へびのように、卵は生み、落とされ、卵は飲
み、くだされ、そのようにして、ひかりは世界のあらゆ
る、片すみへと、さしこまれていく、、、さん、らん、
する、さん、いつ、する、ひかりの卵、あるいは、わた
しのうた、あなたの、うた、くらさのなかでひかる、こ
の苦しさよ、あかるさのなかでこどうする、このいたみ
よ、、、あなたは思い、だされるために、いまも、散ら
ばっており、わたしは思い、だすために、いまも、みず
からを、ばらばらにしている、、、さん、らん、する、
さかなは、つめたい水のなかで、いき、たえる、さん、
らん、された、卵は、世界のしりゅうへ、世界の、あら
ゆる水の、みなもとへと、散らばっていく、、、さん、
らん、する、さん、たん、たる、これらの軽さ、あなた
が、生み、落とした、わたしの水滴、いのちをわからな
くさせるために、ひかる、あなたの卵、わらい、さざめ
く、こどもたちの陰で、この世にまかれた、ひかり、、、



(二〇〇八年十二月)


自由詩 さん、らん、、、 Copyright 岡部淳太郎 2020-02-15 21:00:33縦
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