少し
たもつ

 
  
あなたが少し、と言ったから
少し、と思った
わたしたちはどうしても
わたしたちに似たものを探してしまう
それは少し、というよりも
むしろもっと少しの、もの、こと
わたしたちの好き、は何なのだろう
好き、は私たちの何なのだろう
当たり前のことはある日ふと
当たり前になるものばかり
話すのはいつも身体の方で
魂は何も語らないから
多分、そんなものは存在すらしていない
立ち止まろうか
ここを駅にしようか
列車に乗ろうか
色や形、匂いも、少しね
あなたが少し、と言うから
わたしも少し、と思う
 
 


自由詩 少し Copyright たもつ 2020-01-24 07:09:15
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