その確率で失うものがあるのなら
その確率で得られるものも
きっとある

味わった悲しみは
次の喜びを増すためにあると
誰かが言っていました
先日花見にでかけたのですが
今年の桜は遅く満開とは言えませんでした
散り際が美しいと
誰かが言っていました

多少の憂いを漂わせて
終わりの予感を花色に浮かべる
ひきずられるような感情の流れが
ことさらひきたてる美があるのでしょうか
あるとき
ある場所で
たまたま見かけた何かが
とても美しいと感じられたとして
それは偶然のようでいて
偶然ではないのだと思いました

数字には置き換えられない
いろいろのことはたくさんあって
でも
どんな確率であっても
それは偶然ではないのですきっと

八分咲きの桜は
満開の桜におとるわけではなく
そのとき
その場所で
懸命にうったえかけてくる美しさに
圧倒されることができるのかだと
思うのです

まだ咲きかけの
けれどつぼみよりは大きなふくらみに
指先をあててみます

今のあなたに会えて嬉しいです

この喜びは
いつだってそう

その確率で
僕はその美しさに驚いています