Powdery Snow
ミナト 螢

空の分け目に白い粉がつく
前や後ろに落ちてくるから

オブラートを飲む街の景色が
吐き出す息に口づけを交わし

窓枠に集まる結晶の跡を
なぞるたびに崩れる模様が

未来や希望のように
明日は生まれ変わる

いつか落ち葉に挟んだままの
君の笑顔が皺を増やしても

長靴の底で冷たい影を踏み
スノーダンプに乗せた夜を
どこまで運べば越えられるのか

冬の重さは積もって分かるけど
愛はいちばん溶けにくい雪だな


自由詩 Powdery Snow Copyright ミナト 螢 2019-12-11 08:22:22
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