とうめい
立見春香

とうめいな折り紙で
紙飛行機を
折ろうかと
おもった

夜あけまぢかの
ひがしの空へ
飛ばそうかと
おもった

けれどあまりにも
なにもかも乗せているので
てばなすことがこわい

壊れてしまった
こころが躓いた黒い荊の欲も

鳥肌が立つほどの
ひかり輝く白い歓喜の歌も

乗せて
飛んでいくとすれば

とうめいな折り紙になった
わたしのこころのことを

紙飛行機にして飛ばすことが
わたしにできるだろうか

どんな残酷な
朝であったとしても
そして眠ることができない夜を
忘れたいのだとしても

それらを抱えて
すべてを背負って
あるいていくことが
なによりも
大切なのかもしれないだろ

だから
とうめいな折り紙は
もうすこしさきまで

わたしのこころのなかで
とうめいな自由を
守りつづけて
いってほしいと
ねがった







自由詩 とうめい Copyright 立見春香 2019-12-10 04:01:53
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