顔
ひだかたけし
蒼い夜底の真ん中で
白壁の沈黙、ふと途絶え
薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる
傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま
格子戸の向こうに開ける界
鳴り響く金属音の反響に
蒼白の皮膜が貼り付いて
忘却され逝く、顔顔顔
自由詩
顔
Copyright
ひだかたけし
2019-12-04 22:16:48
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