林檎の詩
ミナト 螢

マフラーの幅を
広くするたびに
寒さが消えて
世界が歌うの

林檎に耳をつけると
逃げるから
丸噛りの芯を
重ねたまま
倒れなかったら
恋が叶うとか

希望の中に
ほんの少しだけ
絶望を混ぜて
おくのがいいの
林檎にも塩を
撒くでしょう

少女はみんな
傷つきたがってる
誰かが助けて
くれると思って

ひとくち目で
前歯が折れた
あの子の名前
なんて言うの


自由詩 林檎の詩 Copyright ミナト 螢 2019-12-03 21:03:26
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